●カンムリワシとは
 カンムリワシについて
 
和名  カンムリワシ
英名  Crested Serpent Eagle
学名  Spilornis cheela
全長  約53cm
翼開長  約110cm
体重  約800g
 国の特別天然記念物(文化庁)
 国内希少野生動物種(環境省)
 絶滅危惧1A類(環境省レッドデータブック)
分布カンムリワシ Spilornis cheela は、パキスタン、インド、スリランカから中国南部と、台湾、マレー半島、ジャワ、カリマンタン、スラウェシ、フィリピンなどの南アジア、東南アジアに広く分布するワシタカ類で、約20の亜種が知られています。 日本に生息するのは、そのうちの1亜種 S.c.perplexus で、八重山諸島の石垣島と西表島を中心に生息する固有亜種です(別種S.perplexus とするも見解もある)。 
生息数:正確な生息数は不明ですが、1998年の調査では、石垣島・西表島の両島で少なくとも約200羽が確認されています(日本野鳥の会八重山支部)。
国の特別天然記念物(文化庁)、国内希少野生動物種(種の保存法)、絶滅危惧1A類(環境省レッドデータブック)に記載されています
形態: カンムリワシの成鳥の体は、全体的に灰色から茶褐色、
    幼鳥では白色が目立ちます。
 
カンムリワシ成鳥  カンムリワシ幼鳥
目と目の周りの裸出した皮膚、脚は黄色味がかり、年齢や状態により多少の個体差も見られます。 
後頭には冠羽があり、興奮や威嚇の時などに立てることがあり、これが和名の由来にもなっています。
    
トップの画像にマウスを当てると、冠を立てたカンムリワシの画像にかわります。
生息地生息地は、山地と水田や河川、マングローブ林などの湿地が隣接するような場所を好み、主に森林部で営巣し、湿地部や開けた草地などで餌を捕らえます。
食べ物主な狩りの方法は、電柱や木の枝で獲物が現れるのを待つ「待ち伏せ法」で、獲物はカエル、ヘビ、トカゲなどの両生爬虫類、バッタ、セミなどの昆虫類、カニ、ミミズ、ムカデ、ウナギなど 幅広く餌にしています。
また交通事故などで死んだ小動物も食べ、時には鳥類やネズミ類も捕食します。

 カンムリワシの繁殖行動について
 カンムリワシの繁殖行動は、1月ぐらいから目立ち始めます。 特に2月3月は、電柱や林縁の木などのよく目立つ場所に止まります。 交尾や造巣行動もこの時期に行われ、河川などの湿地が近接する森林に巣を造り、 何度も交尾を行います。 主にオスが巣材を運搬し、メスが産座を整えます。 営巣木はイタジイ(宮崎 1981)、リュウキュウマツ(原戸 1987)、ガジュマルなどです。

 4月上旬、メスは産卵し、抱卵を始めます。 抱卵日数は推定45日で、5月中旬にヒナが孵化します。 産卵数は不明ですが、孵化したヒナの数が1羽であるため、通常1個と思われますが、2個という報告(原戸 1987)もあります。

ヒナの孵化後は、メスが主に抱雛・給餌を行い、オスが餌の運搬・なわばりや巣の防衛を行い、概ね役割分担ができています。 7月に入り孵化後45日を過ぎる頃になると、ヒナは完全に幼綿羽から幼鳥羽に生え変わり、羽ばたき行動もよく見られ、親が運んできた餌も自力で引き裂いて食べることができるようになります。

ヒナの巣立ちは、巣の周りを枝伝いに出たり戻ったりして離れていくため、はっきりした日と特定することができませんが、7月下旬から8月上旬には営巣木から離れ、湿地などの餌場に出てきます。 この頃、幼鳥(巣立ったヒナ)は、自ら狩りを試み始めますが、成功率はまだまだ低く、たまに親鳥が餌を運んでくるのを観察することができます。

9月になると、親鳥が餌を運んでくる姿も観察できなくなるため、その頃には幼鳥はもう自立しているのかもしれません。

・佐野清貴.2003. 石垣島におけるカンムリワシの繁殖生態. Strix21:141-150
・佐野清貴.2003. シリーズ「この鳥を守ろう」の現在 カンムリワシ あやぱに〜古謡に唄われ尊ばれる私たちの自然.44(4):16-19  より、抜粋・改変

 カンムリワシの成長〜ヒナから幼鳥、そして若鳥へ〜
 5月に孵化し、幼綿羽をまとっていたヒナも、巣内で飛翔が可能な幼鳥羽に換わり、8月頃には巣立ちの時期を迎えます。
 巣立った幼鳥の1暦年目の冬(第1回冬羽)は、幼鳥羽のままです。
 2暦年目の春から換羽の兆候が見られ、頸部・上胸部などから下腹部へと成鳥羽に換羽が進行し、秋には体の多くを成鳥羽が占めるようになります。
この成鳥羽の中に一部幼鳥羽が残った状態で、2暦年目の冬(第2回冬羽)を迎えることとなり、このような状態を一般に若鳥と呼んでいます。
若鳥から成鳥になるまでには、さらに1年以上がかかると思われますが、詳細は今のところ不明です。

  菊地正太郎・佐野清貴.2007.竹富島におけるカンムリワシの観察記録.Bird Research3:S-S10より一部引用

 このサイトで使用する「成長段階名称」の大まかな定義

ヒナ:孵化から巣立ちまで

幼鳥:巣立ちから翌年の換羽期まで 幼鳥羽の中に成鳥羽が見え始めるまで

若鳥:幼鳥羽と成鳥羽が混在している時で、特に成鳥羽の比率が多い時

成鳥:幼鳥羽が完全になくなり成鳥羽のみになった時

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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